2025年秋、Netflixで配信が始まった話題作『匿名の恋人たち』。物語の舞台となる高級チョコレートショップ“ル・ソベール”や、そこを取り巻く複数のロケーションが、ドラマの世界観を豊かに彩っています。
この記事では、主人公たちが働くショコラトリーの外観・内観、そして重要なシーンが撮影された日本国内のロケ地を徹底調査。ロケ地巡りのヒントにもなるよう、アクセスや撮影のエピソードも交えてご紹介します。
- 『匿名の恋人たち』主要ロケ地の詳細と場所
- 印象的なシーンが撮影された実在の施設情報
- ロケ地巡りのマナーやアクセスのポイント
「ル・ソベール」外観のロケ地はTHE BAYS(横浜)
ドラマ『匿名の恋人たち』の主要舞台となる高級チョコレートショップ「ル・ソベール」。その外観ロケ地として使われているのは、神奈川県横浜市中区にある複合施設「THE BAYS(ザ・ベイス)」です。
この建物は、かつての旧関東財務局の歴史的建築をリノベーションして作られており、重厚感のある外観とクラシカルな佇まいが特徴です。
褐色のスクラッチタイルに囲まれたヨーロッパ調のエントランスは、まるでフランスの老舗ショコラトリーを思わせる雰囲気で、物語の世界観と完璧にマッチしています。
文化財建築で撮影された重厚なチョコレートショップ
「THE BAYS」は、歴史的建造物としての価値も高く、登録有形文化財にも指定されています。
このような場所で撮影が行われたことで、ドラマの中でも「ル・ソベール」が単なる店舗以上に、物語の重厚な空気感を象徴する存在として描かれています。
特に夜間のライトアップや、雨の日のシーンでの石畳との相性が絶妙で、映像美を一層引き立てるロケーションとなっています。
THE BAYSのアクセスと建物の特徴
「THE BAYS」は、JR関内駅・みなとみらい線の馬車道駅から徒歩約5分というアクセスの良さも魅力です。
施設内には、カフェ、ギャラリー、コワーキングスペースなどが入居しており、ロケ地としても見学・観光しやすい環境です。
ファンにとっては、“あの場所で撮影された”という感動を味わいながら、実際にその場の空気を感じられるのも大きな魅力です。
ジャズバー「BRUSH」の撮影場所はどこ?
赤西仁が演じる洸太が働くジャズバー「BRUSH(ブラッシュ)」は、渋谷に実在するミュージックバー「THE MUSIC BAR – CAVE -(ザ・ミュージックバー・ケイヴ)」で撮影されています。
ヴィンテージ感のある木製の内装や、天井から吊るされたレコードジャケットが、洸太の感性とリンクする大人な空間を演出しています。
音楽と会話が静かに交わされる場所として、物語の中でも重要な心理描写のシーンが多く展開されるロケーションです。
店内は渋谷「THE MUSIC BAR – CAVE -」
このバーは、代官山駅・渋谷駅からアクセス可能な落ち着いたエリアに位置しており、国内外の音楽ファンにも人気のスポットです。
ドラマでは、ハナと洸太が出会い、心を開いていく過程が丁寧に描かれる舞台として、たびたび登場します。
照明のトーンや音響までリアルに表現されているため、ドラマファンが実際に訪れても“そのままの世界”を感じられるはずです。
外観と洸太の自宅は「Hacoa VILLAGE TOKYO」
「BRUSH」の外観や、洸太の自宅として使われたのは、秋葉原にあるクリエイティブ複合施設「Hacoa VILLAGE TOKYO」。
木の温もりを活かしたデザイン性の高い建物で、洸太の職人気質と孤独さが滲み出るような空間演出がなされています。
この2か所のロケ地を組み合わせることで、洸太という人物の生活と内面が立体的に描かれているのも、本作の映像演出の巧みさを物語っています。
壮亮とハナの出会いの橋「豊海橋」
ドラマ『匿名の恋人たち』の中でも、特に印象深いシーンが撮影されたのが、東京都中央区にある「豊海橋(とよみばし)」です。
ここは、藤原壮亮(小栗旬)とハナ(ハン・ヒョジュ)が偶然出会い、互いに惹かれていく“きっかけ”となる場所。
劇中では夜景と川面のリフレクションがロマンチックに映し出され、心の距離と物理的な距離を象徴する美しい場面として描かれています。
感動シーンの多くが撮影されたロマンチックな橋
「豊海橋」は隅田川にかかる橋の一つで、東京都中央区新川と湊を結ぶ歩行者用の橋です。
欄干のデザインや、遠くに見える東京の夜景が、静かな恋の始まりにぴったりの演出効果を生み出しています。
何度も登場する橋であり、2人の心が通じ合っていく過程とリンクして描かれているため、ロケ地としての存在感は非常に高いと言えます。
周辺の風景とドラマとのマッチング
橋の周辺には高層マンションやリバーサイドの静かな遊歩道があり、都会的な中に穏やかさを感じられるロケーションです。
実際の撮影では、早朝や深夜を狙って撮影が行われていたとの情報もあり、周囲の静けさと光の使い方が非常に印象的です。
ファンの間でも「聖地巡礼スポット」として注目されており、訪れればきっとドラマの世界観をそのまま体感できるはずです。
社員旅行先の絶景ロケ地まとめ
『匿名の恋人たち』第6話で描かれる藤原製菓の社員旅行エピソードは、ドラマの中でもとくに映像美が際立つパートとして多くの視聴者の心を掴みました。
実際の撮影では、関東甲信地方にある美しい自然スポットが複数使われており、見応えのあるロケーションが詰まった回となっています。
以下では、その社員旅行シーンで登場する主なロケ地をまとめてご紹介します。
夢ハーベスト農場(長野県小諸市)
長野県小諸市にあるラベンダー畑の名所「夢ハーベスト農場」は、社員旅行中に訪れる開放的な花畑のシーンで登場。
一面に広がるラベンダーが印象的なカットは、視聴者に強い癒しと美しさを与えています。
ここは実際にも観光農園として営業しており、6月~7月に見頃を迎えるラベンダー畑として知られています。
サントリー登美の丘ワイナリー(山梨県甲斐市)
社員旅行中の食事シーンで使われたのが、山梨県甲斐市にある「サントリー登美の丘ワイナリー」。
広大なブドウ畑と富士山を望む絶景が、ロマンチックな雰囲気をさらに高めています。
ドラマ内では、社内メンバーの距離が縮まっていくシーンの背景として、印象深い場所となっています。
大正池(山梨県北杜市)
湖畔の静けさと美しい空が反射する水面が登場するシーンでは、北杜市の「大正池」が使われています。
まるで一枚の絵画のような風景は、登場人物の心の静けさや葛藤を映す鏡のように演出されています。
これらの自然豊かなスポットが織りなす社員旅行の描写は、物語に“やすらぎ”と“非日常”の魅力を添える大きな要素となっています。
デート&食事シーンの舞台を巡る
『匿名の恋人たち』には、登場人物たちが少しずつ距離を縮めるデートや食事の名シーンが数多く登場します。
それぞれのロケ地には、洗練された雰囲気や特別感があり、映像美と物語の感情をより豊かに引き立てています。
このセクションでは、実際に使われたレストランや公園など、視聴者の心に残るロマンチックな舞台をご紹介します。
フィリップ・ミル東京(港区)
壮亮とハナがディナーを楽しむシーンに登場するレストランは、六本木一丁目にある高級フレンチ「フィリップ・ミル東京」です。
東京ミッドタウンガーデンテラス内に位置し、ミシュランの星を獲得した実力派シェフが手がける料理を提供することで知られています。
店内のラグジュアリーな空間は、壮亮の誠実さやハナへの真剣な想いを視覚的に表現するのにぴったりのロケーションです。
象の鼻パーク(横浜)でのハンバーガーシーン
ハナが車内でハンバーガーを頬張るユニークなシーンは、横浜・象の鼻パーク付近の駐車スペースで撮影されました。
目の前に広がるベイビューと観覧車が、親しみやすくも開放感あふれるデートの雰囲気を演出しています。
高級感だけでなく、ふたりの素の関係性を見せる重要なシーンでもあり、印象に残る名場面となりました。
結婚式のロケ地は軽井沢の2つの名スポット
ドラマ後半のクライマックスともいえる感動の結婚式シーンは、長野県・軽井沢にある2つの名スポットで撮影されています。
軽井沢の美しい自然と上品な建築が調和したロケーションは、2人の愛の物語を優しく包み込むように演出されています。
それぞれのロケ地の特徴と撮影されたシーンの内容を見ていきましょう。
旧軽井沢ホテル音羽ノ森(階段シーン)
結婚式直前にハナが登場する階段の感動的なシーンは、「旧軽井沢ホテル音羽ノ森」のエントランスで撮影されました。
クラシカルでありながら華やかな雰囲気が漂うこのホテルは、挙式前の緊張と期待が入り混じるハナの心情を象徴する場所となっています。
ドラマのロマンティックな余韻を強く印象づける名場面の一つです。
軽井沢プリンスホテル フォレスターナ(チャペル)
実際の挙式シーンは「軽井沢プリンスホテル フォレスターナ」のチャペルで撮影されています。
自然光がたっぷり差し込むモダンで美しいガラス張りのチャペルは、2人の“新たな一歩”を祝福するのにふさわしい神聖な空間。
チャペルの外観から内装、そして列席者との温かな時間まですべてが丁寧に描かれ、本作のラストを飾る感動的なロケ地として視聴者の心に残るシーンとなっています。
その他の注目ロケ地
『匿名の恋人たち』では、これまで紹介したロケ地以外にも、物語に彩りを添える美しい撮影スポットが数多く登場します。
それらの場所は、登場人物の心情を映し出す“静かな名脇役”として、印象深いシーンを形づくっています。
ここでは、視聴者からも注目を集めたその他のロケ地をまとめてご紹介します。
清水ヶ丘公園(神奈川県横浜市)
壮亮がよく一人で訪れる場所として登場するのが、横浜市南区にある「清水ヶ丘公園」です。
広々とした芝生広場と、季節ごとに表情を変える木々が、彼の孤独や心の揺らぎを静かに表現する背景となっています。
ドラマでは夕景のシーンが印象的で、映像のトーンとも調和した癒しのスポットとして選ばれました。
相模メモリアルパーク(神奈川県愛甲郡)
ハナが訪れる霊園のシーンで登場したのが、神奈川県にある「相模メモリアルパーク」です。
このシーンでは、過去の傷と向き合う彼女の繊細な感情が丁寧に描かれ、静寂と自然が見事に融合したロケーションが演出を支えています。
実際の施設としても整備が行き届いており、落ち着いた空気感が漂う場所です。
八ヶ岳高原大橋(山梨県北杜市)
最終話付近でのドライブシーンに登場するのが「八ヶ岳高原大橋」です。
橋の上から広がる壮大な山岳風景が、壮亮とハナの未来への希望を象徴する演出として用いられています。
このロケーションは、ドラマのラストに向けて視聴者の感情を高める役割を担っており、旅の終わりと始まりを同時に感じさせるスポットです。
ロケ地から感じる『匿名の恋人たち』の世界観
『匿名の恋人たち』の魅力は、脚本やキャストだけでなく、選び抜かれたロケーションによって生み出される繊細な世界観にもあります。
それぞれの場所には明確な意味が込められており、登場人物の感情の揺れや物語の進展を視覚的に補完する役割を果たしています。
都会と自然、洗練と素朴、動と静――その対比が、“人に触れられない男”と“目を見られない女”の関係性と呼応するように計算されています。
光と影の演出にロケ地が貢献
たとえば「ル・ソベール」や「BRUSH」など、室内の照明が感情を映す空間では、温もりや孤独がより濃密に伝わります。
一方で、豊海橋や八ヶ岳高原大橋といった開けた屋外ロケーションでは、登場人物たちの“解放”や“変化”を象徴するように映像が展開されます。
そのすべてが、丁寧に構成された演出設計によって一貫性を持ち、物語に没入できる大きな要因となっています。
日常と非日常が交錯する“リアルなファンタジー”
本作のロケ地は、実在の場所でありながら、どこか幻想的で非現実的な空気を感じさせるのが特徴です。
それにより、視聴者は現実と物語の境界線を曖昧にしながら、作品の世界へと自然に引き込まれていきます。
ロケ地そのものがドラマの“語り手”となることで、より深く、より繊細なラブストーリーとして成立しているのです。
ロケ地巡りの前に知っておきたい注意点
『匿名の恋人たち』のロケ地を訪れることで、作品世界をより深く味わうことができますが、ロケ地巡礼にはいくつか注意点があります。
ロケ地の多くは実際の店舗や施設、公共スペースであり、日常生活やビジネスが営まれている場所です。
訪問前には以下のマナーや準備を確認しておくことをおすすめします。
訪問マナーとプライバシーへの配慮
撮影スポットによっては、関係者や利用者の迷惑となる行為は厳禁です。
私有地への無断立ち入りや、カメラ撮影の制限がある場所もありますので、現地の案内表示や施設のルールを必ず守りましょう。
また、住民や他の観光客のプライバシーに十分配慮する姿勢が、ロケ地巡りを長く楽しむためのマナーです。
施設の営業時間や休業日をチェック
カフェやレストラン、ワイナリーなど一部のロケ地は営業時間や定休日が決まっている施設です。
訪問の際は、公式サイトやSNSで最新情報を事前に確認し、無理のないスケジュールでの観光を心がけましょう。
また、天候や季節によって景観が大きく変化する場所もあるため、ベストシーズンを狙うとよりドラマに近い風景が楽しめます。
まとめ:ロケ地巡礼で『匿名の恋人たち』の感動を追体験
『匿名の恋人たち』は、美しい映像と繊細なストーリーが融合したドラマですが、その魅力を際立たせているのが実在のロケ地の数々です。
物語に登場する場所はどれも意味を持ち、登場人物の感情や成長を象徴する存在として描かれています。
実際にその地を訪れれば、ドラマで感じた切なさや温かさを、自分の体で追体験できるはずです。
横浜の石畳に立ってル・ソベールを見上げたり、軽井沢の教会で風を感じたり、橋の上で壮亮とハナの心の距離を思い返したり。
ロケ地巡りは、単なる観光ではなく、物語ともう一度出会い直す“感情の旅”になるのです。
ドラマを見終えた今だからこそ、ロケ地に足を運び、あの感動をもう一度味わってみてはいかがでしょうか。
- チョコレート店「ル・ソベール」は横浜THE BAYSで撮影
- 赤西仁のジャズバーは渋谷と秋葉原でロケ
- 豊海橋や軽井沢など印象的な場面に使われた名所多数
- 社員旅行やデートシーンには自然豊かなスポットが登場
- ロケ地巡りの際はマナーや施設のルールを守ることが大切
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